星霜録
 国会中継で保守系議員が日本の農産物の輸出に力を入れるべきではないかと糾したことに対して、小泉首相や島村農水大臣は、これからは攻めの農政≠ナ日本の農産物を輸出することであるというくだりが良かった。小生が大分前から考えていたことが、ようやく国会で取り上げられた▼これまでの日本の農政は輸入農逐産物の拡大や米の減反に代表されるように、農家をいじめる政策ばかりが先行していた。頼みの経済連や農協も組織の縮小再編でますます農家とかけ離れて衰退の一途を辿っている。日本の農業を再生するには農産物を輸出することだと考えていたからだ▼以前にも本欄で触れたが、「農は国の基」であり、人間の生命は食糧が一番大切である。にも関わらず、日本は6割も海外の食糧に依存、日本の農業を見捨ててきた。何でも海外から輸入すればいいという発想は誤りである▼世界は決して食糧が余っていない。地球環境の変化で麦や大豆などの輸出国のアメリカ、オーストラリア、カナダでは優良農地の砂漠化が進み、年々農産物の栽培面積が狭められ、アフリカでは飢餓が進む一方、地球的規模の異常気象も心配される▼日本の農業を再生する条件は、農家が安心して農産物を生産する意欲を持たせることにある。日本の美味しい米やりんご、和牛、果樹、蔬菜、日本酒などどんどん輸出を進めることが決め手だ。海外でりんご1個2千円、いちご1個300円で売れる時代がきている。 (正)

千葉の歴史検証シリーズ30
成田国際空港「血と涙の歴史」 8
泥沼と化した収用地、続出する重軽傷者
 収用作業が始まったのは午前8時ごろだった。公団作業員が横幕を高々と掲げ、執行を妨害しないようマイクで呼びかけた。鉄塔からは何の応答もない。
 そのうち後方に待機していた一台のユンボが爪≠中空に高く掲げ、鉄塔正面に向かって進んだ。続いて放水車、ジュラルミンを楯にした機動隊員が続く。鉄塔を倒すのが目的だったが、これが戦争≠フ始まりだった。
 鉄塔を倒す前に、まず深く掘られコンクリートで固められた地下壕を制圧≠オなければならない。前夜から地下壕に入って待機していたのは、青年行動隊だけでなく、反対同盟の老人行動隊・婦人行動隊もいた。無数と言っても大げさでない火炎ビンも用意されていた。
 先頭に立ったユンボは投石の嵐≠ノさらされ、追い打ちをかけるように火炎ビンが十数本襲った。車は火を吹き、運転手が火だるま≠ナ転げ出る。代わってもう一台のユンボが先頭に出る。これにも用意された無数の火炎ビンと投石が集中した。
 収用予定地はすでに泥沼と化していた。取材記者たちは、ひざ上まで泥まみれ、上半身は水浸し。私も例外でない。取材記者たちを指揮するのに、泥沼の中を進むといった案配で、顔まで泥まみれになった。
 午前10時過ぎだった。バリケードの一角が遂に破られた。同時に5年にわたって反対同盟の拠点となってきた、駒井野団結小屋も炎上し始めた。それでも反対同盟の学生たち、反対派農民たちは、ひるまず火炎ビンやゲバ棒で、排除しようと突入してくる機動隊員と果敢に戦う。一体、双方でどれほどの死傷者が出るだろう。これほどの犠牲者を出してまで、ここに国際空港を建設する必要性があるのだろうか。
 頭の中では必要性を十分理解していても、この現場を見る限り、おそらく誰でも抱く疑問だった。
 駒井野団結小屋が炎上し始めたその時だった。高さ15メートルの鉄塔に遂に一本のワイヤーロープが絡められた。クレーン車が引き倒そうとする。鉄塔の頂上には、私の見た限りでは5、6人の学生がいた。鉄塔がぐらぐら揺れ出した。作業員が引き倒そうとする。それでも塔上からの投石と火炎ビンの雨≠ヘ止まない。そのうち三方面から待機していた放水車が、いっせいに攻撃≠開始した。猛烈な放水に鉄塔そのものが、水しぶきのために見えなくなるほどだった。放水で火炎ビンは役に立たなくなったが、代わって、すさまじい投石のため機動隊も進めない。作業開始から4時間近く経っていた。紅蓮の炎に包まれてしまった鉄塔が傾いたと見ると、燃えさかったまま、音もなく地上に倒れた。最後まで鉄塔の上で抵抗していた学生たちはどうなっただろう。負傷した機動隊員が担架に乗せられ、救急車で運ばれる。たしか塔の上には10人以上の学生たちが、最後まで残っていたはずだ。
 炎に包まれ倒れた鉄塔の中から火だるまになった学生が、身体についた火を消すため、泥田の中に自ら身を没する姿が何人も見られた。ほとんどが大火傷を負い、成田日赤病院に運ばれた。これ以上、あの収用に伴う惨事を書くに忍びない。『なぜ』と心の中で繰り返す私に、記者の一人が顔をこわばらせて言った。「支局長、東峰十字路で、応援の神奈川県警機動隊員が襲撃されて、死者多数を出したそうです」
身体が震えた。
 成田国際空港がこうした血の犠牲≠ノよって開港したことを、決して忘れてはならない。(つづく)

学校物語 83 千葉市立磯辺第一中学校
ヨット部の活躍と湾岸・磯一学習
 市立磯辺第一中学校は昭和55年に創立。全校生徒は235人。校訓に「自主・自律・自学・連帯」、教育目標には「人間性豊かな心身共に健康で、自主性・自律性に富んだ生徒の育成」を掲げ、「自ら正しく判断・行動し、自ら進んで学習し、思いやりの心を持ち、心身を積極的に鍛える生徒像」を目指している。
 同校には細かい校則はなく、生徒一人一人が「時間を守ろう」「礼儀正しくしよう」「まじめに取組もう」などの5つの約束事を基本にした学校である。特色に総合的な学習の中で行う「湾岸学習(問題解決学習)」と「磯一学習(体験学習)」がある。「湾岸学習」では、1年生は学校周辺の自然や東京湾の歴史、外国で生きる日本人など、2年生は千葉市・千葉県の自然環境、湾岸で働く人たち、アジアで生きる同世代など、3年生は東京湾岸の未来、地域のボランティア、磯一から世界の15歳へのメッセージなどをテーマに、パソコンなども使用して研究に取組んだ。「磯一学習」では、1年生はグループに分かれて幕張新都心にある様々な企業を訪問する幕張新都心体験学習を実施。2年生は千葉市内の高校や大学を訪問する上級学校訪問体験学習を実施。3年生はボランティア体験学習を実施。地域で福祉関係の仕事に携っている人を招いての講演、手話や車椅子の体験、目隠しをして杖をついて歩く体験、介護施設訪問、稲毛の浜周辺の清掃など、様々な活動に取組んだ。10月開催の文化祭「潮風祭」では、合唱コンクールの他、英語スピーチや生徒会保健委員会の研究発表などが行われた。また、保護者会では、卒業生の制服を寄贈してもらいクリーニングをして必要な人に低価格で販売するという制服リサイクル活動を実施し、好評を得ている。
 昨年11月には、同校ヨット部出身のアテネオリンピック銅メダリストの関一人さんの講演会を開催した。ヨット部は、昨年8月、富山県で開催された「全国中学校ヨット選手権大会」で4位に入賞を果たすなど活躍した。 【取材・浦野美智子】

あの店この店 預ける人も買う人もメリット
リサイクルショップ・メリット(め利得)
「稲毛サティ」1階にあるリサイクルショップ「メリット(め利得)」は、平成13年2月にオープンした。タンスの奥で眠っている洋服や使用しなくなったバッグ・靴などのファッション雑貨の委託販売をするリサイクルのお店。
 店内にはセーターやブラウス、スカート、コート、ジュエリー、バッグ、靴、帽子、食器などが所狭しと並べられ、女性のお客さんたちがひっきりなしに訪れる。
 2100円のセーターや靴、1050円のバッグや帽子、525円のコーヒーカップや小皿など、すべてお買い得の商品ばかりなので、見るだけでも楽しく、つい衝動買いをしたくなるお店だ。ブランド物の洋服やバッグ、腕時計などもお買い得。「洋服とバッグが人気商品」と言う店長の岡室姫子さん手作りのパッチワークの可愛い小物入れ・ポーチ・携帯ケース・めがねケースも人気。
 長年ブティックに勤めていた経験があり、ファッションに関しては専門家の岡室さんは、洋服のコーディネイトなど様々なアドバイスも行うのでお客さんに喜ばれている。「家で眠っていた物を大切に扱い、手頃な値段で販売している。洋服は試着もOK。店内を自由に見て楽しんでもらいたい」と岡室さん。
 同店のシステムは、商品委託料は販売商品1点につき473円(1万円以上の商品は5%の委託料、消費税別)。販売価格については相談して決めるが、中古品は購入時の20%、新品は33%が目安。販売期間は2ヵ月。商品が売れた場合には、委託者に販売価格の62%が渡される仕組み。
 オープン以来、洋服などを委託し買物もするという女性は「委託した商品のほとんどは売れる。洋服を大切に着てくれていると思うと嬉しい。店長がお客さんの好みを知っていて的確なアドバイスをするから売れるのでは。」と話した。
 現在は、春物の商品の委託を受付中。委託する人にも買う人にもメリット≠ェあるお店に気軽に出かけてみませんか。 Tel.252・9290 【写真はメリットの店内と店長の岡室姫子さん】

市民ガイド
千葉県立美術館
アート・コレクション「書の美」
平成17年1月29日(土)〜3月27日第3回むじゃキック「書ッキングな書・どう?」「創作」と「鑑賞」がコラボレーションしたイベント。大きな筆で特大の紙に大切な人へのメッセージを大胆に書いてみよう。2月19日(土)13:00〜15:00無料・当日先着20名程度・小学生以下は原則として保護者同伴。

市民講座・講演会のご案内
市民講座『日本語にはルールがある』例えば「ある」と「いる」の使い分けるルールは何か▼日時/2月11日(祝・金)14:00〜16:30▼参加費/1,500円●講演会『海外体験談〜イギリス・サイパン編』海外で活躍した現役の日本語教師が現場の声を伝える▼日時/2月26日(土)14:00〜16:30▼参加費/1,000円▼会場(市民講座・講演会共)/教育情報研究所(美浜区中瀬1-9-1 ロボットFAセンター11階)▼主催/NPO法人 全国日本語教師会▼申込/213-6066

建国記念の日を祝う集い
記念式典、記念講演「よみがえれ美しい日本の心」講師/アサヒビール名誉顧問・中條高徳氏、提言「時代をいかに捉え、いま何を為すべきか」講師/日本政策研究センター所長・伊藤哲夫氏▼日時/2月11日(祝・金)13:00〜16:00(12:30開場)▼会場/千葉市民会館・大ホール(中央区要町1-1)▼入場料/1,000円(高校生以下無料)▼主催/建国記念の日を祝う千葉県民の集い実行委員会▼お問合せ/http://www2u.biglobe.ne.jp/~chiba-vs/

千葉大学卒業制作展
本展は今年度卒業する千葉大学教育学部 美術科・図画工作科・教育学研究科美術教育専攻の学生の卒業制作展で、絵画(10点)、彫刻(3点)、構成(10点)、工芸(3点)の4分野からなる展覧会です。▼会場・千葉県立美術館(中央区中央港1-10-1)入場無料▼会期・2月15日(火)〜2月20日(日)▼時間・9:00〜16:30▼連絡先・090-6147−4953(伊藤)

LMウインドオーケストラ  第3回定期演奏会
▼日時・3月12日(土)13:30開演▼場所・習志野文化ホール▼曲目・アパラチアの春、交響的序曲、リトル・マーメード・メドレー他▼指揮・森田一歩・中谷大輔・室岡祐介♪入場無料▼問い合せ・090-8105-1461(岩間)

車椅子ダンス体験会
身障者・高齢者と健常者がしっかりと手をつなぎ、普段使用している車椅子を使って、社交ダンスやフォークダンスを踊ります。どなたでも参加可。体育館用上履きをご持参▼日時/2月20日(日)13:00〜15:00▼会場/千葉県障害者スポーツ・レクリエーションセンター(モノレール「スポーツセンター」徒歩3分・稲毛駅東口よりバス「スポーツセンター」停歩3分)▼無料▼申込/車椅子社交ダンス普及会千葉支部・衣笠誠 TEL&&FAX.278-7108(2月15日締切)

スポーツ講演会
3月6日(日)午前10時〜11時30分▼会場・千葉市文化センター▼講師・高野進氏(東海大学体育学部助教授・陸上競技部短距離コーチ▼テーマ・日本的発想で挑む、世界の頂点」▼申込方法・往復はがきに住所、氏名、年齢、電話明記、2月15日まで
〒260-0025中央区問屋町1-20千葉市スポーツ振興財団宛Tel.238-0008

ちょっと気軽にオペラ
「オペラのいろはを知ろう」シリーズvol3、ヴェリズモオペラ・1部 ヴェリズモの作曲者たち、2部 マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」ハイライト原語上演(日本語語り付き)▼2月20日(日)16:00開演・2月27日(日)14:00開演▼一般自由席4,200円・小中学生席1,000円(エリア指定)▼お問合せ/はなみがわ風の丘HALL TEL・FAX.273-4217

幻想〜アンデルセンの世界
アンデルセン生誕200年企画、ピアノ生演奏による独創的な音楽と朗読で楽しむ▼日時/3月5日(土)14:00〜(13:30開場)▼会場/K's Caffe(中央区中央2-6-3 FCビル1階)▼入場料/1,000円(コーヒー又は紅茶付)▼要予約、定員25名▼申込/FAX.又はEメールで、申込人数・氏名・住所・電話番号を明記の上、下記に送付して下さい。定員になり次第受付終了。音楽工房「妙(みょう)」FAX.241-2456 E-mail ANA55421@nifty.com

カルチャーセンター稲毛 生徒・教室利用者募集!
会議・研修会にもどうぞ。メイク教室、ステンドグラス、マミフラワーデザイン、イラストレーション、パッチワーク、キルト、油絵、書道、ろう造花、手書き染め等。問合せはC244・3989【設計士の住い塾】家ができるまでのプランニングから業者選び、資金計画まで▼日時・2月26日シ午後1時〜3時▼問合せ・アイム設計C244・3989

今月の人
ベンチャー企業 電子情報技術社 代表 松 本 啓 さん(29歳)
会社の書類を電子化します
電子情報技術社は、昨年5月に設立。6月から営業を創を開始した“今流”のITベンチャー企業である。代表の松本啓さんは親友の徳貴倫(たかのり)さん(28)と二人で会社を立ち上げ、千葉県内の企業や団体向けに書類保存のIT化を進めようと努力している。
 会社の文書や資料を電子化(IT化)するメリットについて松本さんは「紙資料でやりとりすることに比べ、格段に管理しやすく、作業の能率がアップします。例えば書類が部署毎に点在していたり、複数のパソコンに分かれて記録されているものをCDやDVD、HDDに変換保存することにより、誰でも、いつでも、迅速で正確に必要な情報を取り出して見ることができ、探す時間が短縮でき、しかもプリントアウトも簡単で作業時間もかからず、書庫など省スペース化が図れます」と語る。
 どこの会社でも紙資料が膨大になるばかり。ある調査によると、一人が一年間で物を探すのに費やす時間は180時間もかけているというデータがあるという。数年前の資料をダンボール箱の奥にしまって、取り出すのが容易でないという職場にとっては、資料や書類の電子化は画期的な効率化といえる。    「古文書や美術作品など貴重な物は、映像を電子化して公開することができるので、現物を破損のない状態で保存しておくことができます。電子化した情報も劣化や汚損は皆無に等しいので、半永久的に保存できます。また、取り引き先の情報は企業秘密でもあるので、守秘義務の誓約も交わします」と松本さんは語る。
 東京ではオフィス書類の電子化をどんどん取り入れている企業が増加している。千葉は先端技術のノウハウに対する認知度がまだまだ低い。というより、先端のベンチャー企業が千葉県に少ないからである。松本さんは電子化によって会社が効率よく機能して生産性を高めることができることを理解してもらうため、日夜努力を続けている。
 「私は"迅速・高品質・低価格"をモットーにしています。そのほかに取り引き会社に対して、電子コンサルタント的な役目も担いたいです。世界的に情報システムの変化が速いため、電子化しても使いこなせない人が多いので、取り引き後も長く利用の仕方を教える必要があると思います。各社の事業の内容を把握して、どのような電子化が最も効率的か、ご相談にのってサポートしていきたい。今後は行政関係の書類もますます電子化されていくと思います。千葉市の産業発展に貢献できれば幸いです」と松本さん。
 松本さんや徳さんのようITに詳しい若い人材がこれからどんどん育って活躍して、新しい時代を担って欲しい。電話043-204-1088


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